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妊婦の葉酸不足――ハセ博士のヘルシー情報最前線(120)

葉酸はビタミンB群の仲間の水溶性ビタミンで、ホウレン草に含まれる貧血予防因子として発見されたことから葉酸と名づけられています(正式名はプテロイルグルタミン酸Pteroylglutamic acid)。

 葉酸は、特にビタミンB12 と協力して細胞の遺伝子(DNA)の合成や細胞分裂にかかわっており、胎児や乳幼児の成長に欠かせない成分です。実際に葉酸の摂取が不足した妊娠女性は胎児の神経管欠損症を起こすことがランダム化比較試験法と言われる科学的な試験で実証されています。

 さて、このように葉酸は妊娠中に摂取すべき重要な栄養素なのですが、最近の調査によると「妊婦さんの9割以上が葉酸不足」という警告が出されていますので、その話題をお送りいたします。

 これは、横浜市立大などの研究グループの調査で分かったもので、2006年4月に横浜市で開かれた日本産科婦人科学会で発表されたものです。 

 それによると、葉酸を食事で厚生労働省の推奨量以上に摂取している妊婦さんは7.5パーセントにとどまり、実に妊婦さんの9割以上が不十分であることが明らかになったそうです。

 また、妊娠前から意識的にサプリメントで摂取している人は13.5パーセントだけだったそうで、研究グループは改めて葉酸を十分摂取するよう警告しています。

 葉酸は、植物性食品では枝豆やアサツキ、アスパラガス、ブロッコリー、ホウレン草、オクラなどに、動物性食品では牛・豚・鶏のレバー、ウナギの肝などに多く含まれています。

 ちなみに、天然の食品の葉酸とサプリメントの葉酸とは化学構造が異なるため、天然の葉酸の吸収性はサプリメントの半分といわれており、サプリメントを使用するのが効果的です。しかし、葉酸サプリメントなどの大量摂取は発熱やじんましん、呼吸障害、吐き気などを起こす恐れがありますので、葉酸サプリメントの摂取の際には、担当の医師や薬剤師さんとよくご相談ください。

 元気で健康な赤ちゃんを!

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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