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歩く角には福来たる――ハセ博士のヘルシー情報最前線(107)

 

 いよいよ超高齢化社会がやってきました。歴史上、そして全世界を見回しても例がない大変な時代の始まりです。

 そうはいっても、今後の高齢化社会の旗頭である団塊の世代はまだまだ元気で、若い人に体力・能力に見劣りしているという実感はありませんよね。

 寿命そのものが延びていて、今まで老人の仲間入りとされていた60歳は少し前の40歳くらいにしか相当しないと感じているからだと思います。

 さて、それではそれぞれ個々の人が本当に寿命が長くなり、健康な生活を送れるかどうか、皆様、気になるところではないでしょうか?

 高齢者の歩行する能力を調べると、将来の健康状態、そして寿命までが予測できることが最近の研究で明らかになりましたので、お知らせいたします。

 この研究は、米フロリダ大加齢研究所のMarco Pahor氏らを中心とした米国の複数の機関で調べられたもので、米国医師会誌「JAMA」(May,3,2006)に掲載されたものです。

 研究では、健康な70~79歳のボランティアの人約3000人に6ヵ月ごとに歩行テストをしてもらい、死亡する危険率や寿命に与える影響を調べました。

 その結果、歩行速度が速かった上位25パーセントのグループの人に比べて、最下位のグループは死亡リスクが3倍も高くなっており、心疾患やそのほかの障害を生じるリスクも高いことが分かりました。

 目安として、4分の1マイル(約400メートル)を短時間で歩き切ることができる人は、長生きする確率が高く、心血管疾患や身体障害を来す確率が大幅に低いということです。

 そして、高齢者の健康を維持する鍵のひとつは、歩行のような日常的な動作ができなくなることを防ぐことにあるとしています。

 最も効果的なのは定期的な運動をすることで、よく運動する人ほど健康で長生きできると結論づけています。

 私は最近、通勤の際は目的地のひとつ前で地下鉄を降り、歩くように心がけています。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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