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たった2分間のゆっくり呼吸で――ハセ博士のヘルシー情報最前線(106)

 血圧は中高齢者にとって非常に気になる数値ですが、お医者さんが言われるような食事や運動に気をつけても、なかなか思ったようには下がりません。

 ところが今回、わずか2分間程度、1回10秒くらいかけてゆっくりと呼吸をするだけで、血圧が劇的に下がるといううれしい結果が報告されましたので、ご報告します。

 これはイタリアのPavia大のChacko N. Joseph氏らが、医学誌の高血圧誌(Hypertension, 2005タイトル:Slow Breathing Improves Arterial Baroreflex Sensitivity and Decreases Blood Pressure in Essential Hypertension)に報告したものです。

 今までもこの著者たちは、1分間に6回というゆっくりした呼吸をすると、圧反射感受性が高まり、交感神経と動脈反射が抑制されることから、ゆっくりした呼吸が血圧低下をもたらす可能性を考えていました。そこで、実際に血圧と圧反射感受性に対するゆっくりした呼吸の効果を調べました。

 試験では、本態性高血圧患者さん20人(平均年齢56.4歳)と血圧正常者26人(同52.3歳)を対象としたそうです。

 座った状態で、通常の呼吸を5分間、次いで1分に6回というゆっくりした呼吸を2分間、さらにかなり頻度の高い呼吸(15回/分)を2分間行ない、血圧や心電図、呼気二酸化炭素濃度などの変化を調べました。

 その結果、通常の状態では、高血圧患者さんは安静時の呼吸数が多く、呼気二酸化炭素濃度は低く、換気亢進状態だったそうですが、ゆっくりした呼吸により、収縮期圧が約9mmHg、拡張期圧が5mmHgも下がることが分かりました。

 実際に慢性心不全患者さんに1ヵ月このような呼吸訓練を行なってもらったところ、血圧低下が長期間持続されることも分かったそうです。

 これらの結果から、日常からゆっくりした呼吸を心がけると、血圧が低下することが期待されます。

 高血圧が気になる中高年の皆様、ぜひお試しください。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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