アンチエイジングニュース

「我々の学会は今年過去最多のメンバー数に達しました。皆さんの医療に対する熱心さや団結力、情熱が当学会の成長力になっています」――。ACAM(American College for Advancement in Medicine)こと米国先端医療会議の会長Dr.ケネス・ボックは笑顔で学会参加者に挨拶した。

 ゴールデンウィーク中の5月上旬、米テキサス州ダラスで開かれた5日間に及ぶACAM学会に参加した。

 今回の学会は前半と後半に分かれていた。前半はACAMの学会理念のひとつである「教育」に重点が置かれ、点滴治療や高気圧・高濃度酸素治療、針治療などに関するワークショップが開かれた。後半は「感染症と慢性疾患・炎症、感染症、ライム病へのアプローチ」をテーマにジェネラルセッションが開催された。

 私は主に点滴治療のワークショップに参加した。講義ではまずはじめに米国の重金属中毒と環境汚染の現状、重金属の治療方法としてのキレーション治療が紹介された。その後線維筋痛症やがんの治療に有効とされる(主にビタミンやミネラルを中心とした)点滴治療が紹介された。キレーション治療に関してはEDTAやDMSA、DMPSなどのさまざまなキレート剤を使う幅広い治療方法が紹介され、その有効性についての議論が交わされた。日本人に最も多い水銀中毒の治療法も紹介されていて、大いに実用的なワークショップだった。

 がんの治療に有効とされる点滴療法はとても興味深い。高濃度ビタミンCの点滴で行なうプロトコルやインシュリンを使用して低血糖状態で行なう化学療法など、多種多様な治療方法に時差ボケも忘れてひたすら聞き続けた。

「We cannot fall in love with our own hypothesis 」(我々は決して自らの仮説に自惚れてはいけない)と、エール大学で公衆衛生医学の教授をしているDr.デイビット・カッツは点滴治療の講義を聞きに来ている観衆に淡々と伝えた。「ビタミン・ミネラル点滴療法を行なっている一部の医者は研究・科学的根拠を無視して自らの仮説に自惚れ、(患者の体に負担をかけかねない)治療プロトコルを作っている」

 さらにDr.カッツは臨床医が圧倒的に多いACAMメンバーに向かって臨床と研究の大切さを伝えた。「医療の発展には研究と臨床が両立する必要がある。そのためには学会などの場を用いて情報やデータを交換し、決断力を高め、切磋琢磨する必要がある」

 今回のACAM学会はそんな志を持っている医師に多く出会うことができ、自分の心が熱くなるのを実感した。(AACクリニック銀座主任研究員・内山良)

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