アンチエイジングニュース

オリーブ・オイルの効能――ハセ博士のヘルシー情報最前線(91)

 オリーブ・オイルはさまざまな調理に使われており、特に地中海料理などには欠かせないものです。このオリーブ・オイルが体によいことはよく知られており、特に2004年11月に米国食品医薬品局(FDA)が、冠動脈疾患のリスクを軽減すると発表して以来、人気を集めています。

 今回、このオリーブ・オイルに強力な鎮痛・抗炎症作用があることが分かったという話です。

 これは米フィラデルフィアにある化学感覚センター(Monell Chemical Senses Center)のPaul A. S. Breslin教授らが、権威ある英科学誌『Nature』(Nature, 2005, 437, 45-6; タイトル:Ibuprofen-like activity in extra-virgin olive oil.)に報告したものです。

 この研究者らは、搾りたてのエキストラバージン・オリーブ・オイルにはのどを刺激する作用があり、風邪薬などに含まれているイブプロフェンをのんだ際に感じる刺激と似ている点に着目しました。

 そこで、オリーブ・オイルに含まれる物質が刺激の原因であることを調べた結果、「オレオカンタール」(oleocanthal)という物質を見つけたそうです。

 次にそのオレオカンタールの疼痛や炎症に対する効果を調べたところ、イブプロフェンと同様に痛みの原因となるcox-1遺伝子およびcox-2遺伝子の発現を抑制することが分かりました。

 しかし、oleocanthalの作用はイブプロフェンと比べて低く、イブプロフェンと同程度の効果を発揮するには、オリーブ・オイルを500グラム摂取する必要があります。

 オリーブ・オイルを取りすぎると、コレステロール値の増加する可能性があり、高脂血症などの別の疾病の危険性も否定できません。従って今のところ、短期の痛み治療にはイブプロフェン錠を取ったほうがよさそうです。

 むしろ、オリーブ・オイルを長期にわたって摂取すれば、イブプロフェンと同じようながんのリスク低減や血栓をできにくくするなどの効果が得られる可能性があります。

 従って今回の研究結果は、魚や生野菜、不飽和脂肪を含む食材を主体にオリーブ油を用いる地中海風料理が健康によいことを再確認させるもののように思われます。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします

カテゴリ一覧