アンチエイジングニュース

健康に効く話(33):貧血(1)一度は医療機関へ

貧血といえば女性の病気の代表格です。「貧血気味」と自覚している人は多いでしょう。「病気ではないから」と病院で診てもらっていない人がほとんどだと思いますが、中には消化器がんなど命にかかわる病気が潜んでいる場合があります。また、特に治すべき病気がない生理的貧血であっても、適切な治療によって体調が劇的によくなりますので、一度は医療機関を受診していただきたいものです。

貧血の原因

 貧血の大半は鉄欠乏性貧血というタイプで、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが不足して起こるものです。

 原因にはさまざまなものがありますが、30~50代の女性では、生理の出血が影響しているものがほとんどです。月経の量が多く、生理の時に貧血の症状が悪化する人の場合は、たいていがこのタイプです。

 若い女性では、食事で鉄が十分に取れていないことから起こっているケースも目立ちます。いずれも生理的貧血(前述)です。

 ヘモグロビンは全身の細胞に酸素や二酸化炭素を運ぶ重要な働きをしており、生成には鉄が不可欠です。このため、鉄欠乏性貧血になると体が酸欠状態になるため、あくびや思考能力の低下、めまい、頭痛などが起こったり、全身の倦怠感や疲労感が出てきたりします。不足した酸素を補おうと心臓が大量に血液を送り出そうとするため、息切れや動悸なども起こってきます。

 さて、病院や検診施設で行なう検査ではヘモグロビン濃度が12g/ml 以下(成人女性の場合、成人男性では14g/ml以下)であれば鉄欠乏性貧血と診断されます。

改善は無理?

 こうなると、「たいへん! ほうれん草やレバーをたくさん食べなくちゃ」とはっとなると思います。しかし、専門医によると、いったん鉄欠乏性貧血になってしまったら、食事や鉄剤のサプリメントだけで改善するのはまず無理だそうです。

 そこで治療が必要というわけですが、病院では足りなくなった鉄を鉄剤によって補給する薬物治療が行なわれます。軽い場合でも最低6ヵ月は続けるのが基本とのことです。鉄は血液のほかに肝臓などにも貯蔵されており、血液中の鉄が不足しないよう、これを補う役割をしています。この貯蔵鉄をいっぱいにしてやらない限り、貧血はすぐに再発してしまうからだそうです。

 貧血が何年も続いていると、不調にも慣れてしまって、だるさがあっても「気のせい」「働きすぎ」などと思いがちです。こうした人が治療をして元気になると、「これまでの不調は貧血のせいだったのか」とあらためて自覚することになるでしょう。

狩生聖子
狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします

カテゴリ一覧