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加齢による記憶力の低下を予防する果物――ハセ博士のヘルシー情報最前線(85)

 最近記憶力が低下してきました。特に新しいことを覚えるのが徐々に弱くなっているようです。私だけでなく、恐らく同世代の、団塊の方々にも思い当たるのではないでしょうか?

 そこで今回は、リンゴを食べると記憶力低下が抑えられる、という話題をお届けします。

 これは、マサチューセッツ・ローウェル大学のThomas B. Shea博士らが明らかにしたもので、アルツハイマー病雑誌(Journal of Alzheimer’s Disease, 2006, Jan.)に報告しました。

 研究ではマウスを実験材料にしてリンゴジュースを飲ませた後に迷路に入れ、食べ物に行き着くまでの時間を調べました。またその後で脳組織を取り出し、脳細胞の酸化ダメージの程度を調べたそうです。

 その結果、リンゴジュースを飲んだ高齢マウスはこの迷路―記憶力試験で好成績を残し、脳細胞の酸化ストレスによるダメージも、リンゴジュースを与えなかったマウスに比べて大幅に減少していることが分かりました。

 この結果から、リンゴジュースの中には脳細胞に働く抗酸化物質が含まれており、これが老化で記憶力を低下させる原因の酸化ストレスを低下させて脳細胞の死滅を抑えるとしています。

 今回の実験はあくまでもマウスを用いた研究ですので、人にも当てはまるかどうかは今後の研究に待たねばなりません。しかし研究者によると、今回のマウス結果から考えて、ヒトの場合では1日2~3カップのリンゴジュース、あるは2~4個のリンゴを食べるとよいと考えられるそうです。また、リンゴジュースに含まれる糖分がその効果を発揮するのではなく、リンゴの抗酸化物質が効いているとしています。

 加齢による記憶力の低下ももちろん大きな問題ですが、今後迫り来る高齢化社会では、痴呆症の問題は避けて通ることが出来ません。このような研究により、少しでも老人性痴呆解決の手助けになることを期待します。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。現在は製薬企業で研究に従事している

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