アンチエイジングニュース

サメ軟骨延命効果みられず――ハセ博士のヘルシー情報最前線(81)

 サメ軟骨の抗がん作用には科学的根拠がないことが臨床試験で確認できました。

 ご存知のように、天然のサメ軟骨製品はがんの代替療法として、新聞なの広告欄によく出ています。しかし、昨年のがん関連医学誌「Cancer Research」12月1日号の論文は、サメ軟骨によってがんが治癒するということについての科学的な証拠はなく、誤った期待を抱かせるものであると非難していました。今回の報告は、それを科学的に実証したもので、各界で反響を巻き起こしています。

 これは、がん研究で有名な米メイヨークリニックなどの研究グループが、進行した乳がんと大腸がんの患者を対象に調べた結果で、Cancer Research誌(2005, May 23)に報告したものです。

 それによりますと、男女計83人のがん患者さんを対象として、通常の治療を行ないつつ、無作為に選んだ42人にサメ軟骨を、また残り41人にプラセボ偽薬を与え、その効果を調べました。医師も患者さんも本物か偽物のどちらを飲んでいるか分からない二重盲検法という厳しい条件で実施したそうです。

 その結果、サメ軟骨を取った群もニセ薬を取った群も生存率に差はなく、さらに患者さん本人が評価する生活の質の改善効果についても差は認められませんでした。

 これらの結果から、論文では「延命効果も生活の質の向上もみられず、サメ軟骨ががんに有効であるとは言えない」としています。

 今回の調査には米国で市販されているサメ軟骨が使用されていますが、異なるメーカの製品や使用条件などに問題があるのではないかという意見もあり、研究が待たれます。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします

カテゴリ一覧