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花粉症に有効なハーブ薬が開発された――ハセ博士のヘルシー情報最前線(78)

 花粉症で悩む人に朗報です。スイスとドイツの科学者らが、抗ヒスタミン薬のように眠気が起こらず、非常に有効な花粉症用のハーブ薬を開発したという話題です。

 日本を含む先進国では、実に全人口の約20パーセントがアレルギー性鼻炎などの花粉症の患者だそうで、通常このような花粉症の治療には抗ヒスタミン薬が用いられています。しかし、この抗ヒスタミン薬は服用すると眠くなるなどの副作用が強く、車の運転や危険な仕事をする人は飲むことができません。

 ところが今回、アジア及び北米によく見られるバタバーの葉のエキスが花粉症によく効き、さらに抗ヒスタミン薬のような眠気を催す副作用がないことが明らかになりました。

 この報告は、フィトセラピー研究誌(journal Phytotherapy Research, 2005)に報告されたものです。

 バタバーの根は古くから治療薬として使われていましたが、最近の研究で、葉にはアレルギー反応を抑えるペタシン(petasine)と呼ばれる化学物質を多く含んでいることが分かっていました。

 これに目をつけたスイスの製薬会社(Zeller AG of Romanshorn)が、バターバーの葉から抗アレルギー性鼻炎に有効なZe339と呼ばれるハーブ薬を開発しました。

 今回の研究では、このバタバーエキス薬と、は眠気が起こりにくいとされている薬のフェキソフェナジン(fexofenadine)を花粉症の患者さんに投与し、その効果と副作用について調べました。

 その結果、バタバーエキス薬とfexofenadineを投与された患者さんでは、花粉症に対する有効率はほぼ同じであることが分かったそうです。

 次に副作用について調べたところ、fexofenadineでは4分の3の人が眠気を感じたのに対し、バタバーエキス薬では3分の1の割合でした。

 これらの結果から、バタバーエキス薬は花粉症に有効で、抗ヒスタミン薬に比べて眠気を起こさない点、有効であると結論づけられています。

 バタバーには肝臓障害を引き起こすpyrrolizidineアルカイドが含まれており、いい加減な抽出法で製造されたものは危険です。しかしこのZe339は人工栽培により毒性アルカロイドの含量も少なくするなどの工夫もされており、安全性も高くなっているようです。

 このハーブ薬の開発がさらに進むことが期待されます。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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