アンチエイジングニュース

 こんにちは、皆川です。今回は「体脂肪率」のお話をしてみたいと思います。

 体脂肪率が測定できる家庭用体重計が普及してきましたが、皆さん、お使いでしょうか。最近では、体重・体脂肪率に加え、筋肉量や基礎代謝量、骨量まで測れるような機種も出てきており、随分進歩してきました。

 でも、この体脂肪率でどうやって測定しているかご存知ですか。筋肉量や基礎代謝が体重計に乗るだけで分かるってすごいことだとは思うのですが、どうしてそんなことまで分かるのか不思議に思いませんか?

 私は整形外科の医者ですので、乗るだけでどうして骨量が測定できるのか、とても不思議に思っていました。そこで文献を調べてみました。

 今回の文献は『臨床栄養』という雑誌の2004年9月号に掲載されていた山内健先生の「BIA法の使い方」という論文を参考にさせていただきました。

 また、インターネットで得られる情報としては、「体脂肪計」というタイトルのサイト(http://humpty.nih.go.jp/kiban2/ronbun/matumura01.htm)に関連する記事がかなり詳しく書かれていますので、ご興味のある方は、これもご覧下さい。

 では、まず体脂肪測定装置の原理を簡単にご説明します。

 体脂肪の測れる体重計を見ると、足が乗っかる部分には金属が張られています。あれは実は電極なのです。

 そこから微弱な交流電流が流れており、その上に乗ると、乗った人の体に電流が流れるようになっています。電流といっても極めて弱い電流なので、ビリビリと体に感じるようなことはありません。その電流の流れやすさを計測することで、体脂肪率を測っているのです。

 もう少し詳しく説明しましょう。私たちの体の中で脂肪組織を含まない部分は水分と電解質に富んでおり、このような部分は電流を通しやすくなっています。これに対し、脂肪組織は水分をほとんど含んでおらず、電流が流れにくくなっています。

 ですから、体に電流を流してみて、電流がよく流れるようであれば、水分や電解質をたくさん含んでいる組織、すなわち脂肪を含まない組織が豊富であると判断できます。反対に、電流が流れにくかったとすると、水分が少ない組織、すなわち脂肪組織がたくさんあったと判断できます。

 この原理を使うことで、体の中にどれくらい脂肪があるか推定することができるわけなのです。

 ここでポイントになるのは、家庭用の体重計で体脂肪率を測れる場合、直接体脂肪の量を測っているわけではなく、電流の流れやすさを測っているだけだという点です。そして、その電流の流れやすさは、主に体内の水分量に左右されるという点です。

 このことを理解していないと、状況によって測定値にかなりの誤差が生まれることが理解できません。

 例えば、運動をした後やサウナに入ってかなり汗をかいた後で体脂肪率を測ると、思ったより多く出る可能性があります。

 なぜかというと、もうお分かりかと思いますが、体内の水分量が減ったために電流が流れにくくなり、そのために体脂肪率が実際より多く表示されてしまうのです。

 食事で水分をたくさん取った後などでは、体内の水分量が増しており、電流を通しやすい状態になっているため、体脂肪率は実際より少なく表示される可能性があります。

 ほかにも、測定する時の姿勢や電極と皮膚の接触状態、室温、体温、測定の時間帯、発汗、排尿などさまざまな条件で測定値は左右されますので、できるだけ同じ条件で測定することが求められます。

 夕食前でしかも入浴前などがいいかもしれません。できれば、測定前に足と電極部分をアルコールで拭いておいた方がよいでしょう。メーカーが異なると測定値に微妙な違いが出てくる可能性があることにも注意が必要でしょう。

 ところで、初めの方で述べた骨量や筋肉量のことですが、これらは直接測定されているわけではなく、測定した電気抵抗値をもとにいろいろなデータから推計した数値にすぎないわけです。

 以上の点をご理解のうえ、体重・体脂肪の測定を行なうとよろしいかと思います。


皆川俊一=東京の西の方にある診療所の院長。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医


現在のドクター皆川(写真上)
ダイエット前のドクター皆川(写真下)

  • facebook Share
  • Tweet
  • LINE

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう
最新記事をお届けします

カテゴリ一覧