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柴門ふみさんが語る愛と希望と恋のホルモンパッチ(7)40歳を過ぎてからの恋愛は怖い

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40歳を過ぎてからの恋愛は怖い

 痛い目に遭って経験値を上げると、「いいもの」とそうでないものを見分けることができるようになる。自分を「いいもの」に磨くためにはどうすればいいのいだろう。漫画家・柴門ふみさんが経験に基づく(?!)ノウハウを教えてくれる。

――私の場合小中高と柴門さんの本を読み、ちょうどテレビドラマ化されていったのでそれをビデオに撮って見て、いろいろ学びました。あとは実戦を通して(笑)数多くの痛い思いをしました。

 今までいろいろな作品を描いてきましたが、今なら全然別の内容を描くでしょうね。若いころと今とでは見えるものが全然違うから、全然違う作品になるはずです。
 これはやっぱり年を取ってから得たものですね。若いころ見えなかったものが見えるんですから。
 だから40歳を過ぎてからの恋愛は怖いんです。いいものとそうでないものを見分ける目を持てる年代ですから、「いいもの」同士が出会ってしまうとお互いの本質的な深いところで認めあうことになる。
 今やっている「小早川伸木の恋」はそういう話です。盆栽教室で知り合った男女はお互いに家庭やすごいドラマを背負っていて、そういうところを除いた本質的なところで引かれあうふたりをテーマにしています。

――伸木は若いころ「いいな」と思った女性と結婚します。

 若いころ「いいな」と思う女はたいていろくなもんじゃない(笑)。

――私もそう思う(笑)。大学時代、ある女性を一生懸命追いかけたんですが、ある時「こいつは違う!」と気づきました(笑)。

 そういうことなんですよ。見えます。40歳を過ぎると、本当に立派な人間が見えます。
 世間に認められたとか認められていないとかそういうことは全然関係ありません。有名でなくても職業が特殊なものでなくても、人間的に能力の高い人はいますもの。

――「人間的な能力の高さ」は、持って生まれたものですか、蓄積ですか。

 蓄積でしょう。40歳を過ぎてからがその人の本当の人格だと思います。性格などのすべては20歳くらいまでは親にもらったものでしょう。そこから研鑽を積んで40歳くらいでどんな“作品”に仕上がっているか。30代くらいは分かれ目かも知れない。

――ということは40歳の人はもう取り返しがつかない?

 いえいえ。まだまだ大丈夫。男も女もやり直せますよ。

――年をとっていろんなものを得ることができるなら何もしなくていいのかというと、努力が必要ということですね。何をすればいいんでしょう。40歳を過ぎて自分をいい“作品”にするために何をすればいいんでしょう。

 固定観念を持たないこと、思いこみを捨てること、です。絶えず目からウロコを落とし続けないといけない。私自身、自分でも知らないうちに固まってしまっています。いろんな固定観念がいつの間にかできているんですね。娘や若いアシスタントと話をしていて「はっ、そうなのね」と固定観念を崩すことがあります。そういうことが大切だと思います。

――目からウロコを落とし続けようとする人もいれば自分の殻に閉じこもる人もいます。そこには資質の問題があるのかも知れません。

 閉じこもっちゃ駄目です。それでは変われません。

――変わり続けようという意識、面白がろうという意識が不可欠ですね。

 それと、自分に痛い意見もとりあえず受け入れることです、痛みを伴いつつ受け入れる。
 年をとっていると経験値を上げているから痛いのはイヤなんですよ。できるだけ痛いことを排除して、気持ちのいいことだけで自分の回りを取り囲んでぼっーっと年を取っていこうとする人は多いんですけど、痛みを受けていないうちは駄目です。変われないと思います。

――経験値というのは失敗や痛みという意味ですか。

 それも必要ですけれど、あまりに挫折ばかりだと歪んでしまったりするので、それをいかにうまく乗り越えて自分の血肉にしてきたかということだと思います。
 すごい目に遭ってもすごく前向きにいられる人もいます。ただし、例えばマンションの鉄筋を減らしたことで問題になった会社の社長みたいな人がいますが、あれは厚顔無恥なだけです。ああいう人は挫折から立ち上がった人ではないんです。単に鈍い人です。

――固定観念を持たない、目からウロコを落とし続ける。そういうことを具体的にしようとすると、どうなりますか。

 傷つきますよ。自分のプライドをそこで1度崩されるわけですから。批判も受けますし。でも、そこで受け入れるべきものを受け入れておかないと、ただの頑固老人になってしまいますよね。
 私の場合、紙で育った人間ですしマンガは紙で読まなければ駄目だということでインターネットを毛嫌いしていました。でもやはりインターネットは便利ですし、これを受け入れないといけないと思い直し、資料探しなどに活用するようになりました。

――「小早川伸木の恋」では、引かれあう男女が別れたあと、インターネットのサイトを通して精神的な交流を続ける場面があります。このようなストーリーが生まれた背景には柴門さん自身がインターネットに対する固定観念を捨てたということがあるんですね。

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