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柴門ふみさんが語る愛と希望と恋のホルモンパッチ(5)見えてきた!

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見えてきた!

 漫画家・柴門ふみさんは1957年生まれである。人生経験を積んできた今、「年齢を重ねること」をどう受け止めているのだろう。お話をうかがうと、意外な(?)横顔が浮かび上がってきた。

――『恋愛は終わらない』(新潮文庫)で「齢をとることは、怖いことでは、ない」と、ためらいを見せつつも非常に前向きなことをお書きになっています。年齢を重ねることで得るものと失うものがありますよね。

 服装なら上品なものが似合うようになるということはありますね。経験値で自分に必要のないものがすぐ見分けられるようになります。若い時はその辺りが分からないから手当たり次第経験しないと自分に合うもの合わないものが分からないと思うんですが、さすがにこの年になると、いくら流行でもピンクの花柄は似合わないなとか(笑)分かります。自分の似合う型や色も経験を積めば分かります。

――年齢とともに失うものはありますか。

 それは山ほどありますよ。まず記憶力、体力。子供からの愛。いくらでもあります。

――得るものと失うものと、どちらが多いですか。

 失うものでしょう。人生先細りです(笑)。人生どんどん暗くなっていく(笑)。
 でも、年をとることのプラス面は、未経験で不安なものがどんどん減るということでしょう。それとやっぱり、若いころには分からなかったいろいろなものが見えてきたり聞こえてきたりすることですね。
 例えば最近私が聞くのは、若いころは絶対に聞かなかったクラシックです。クラシックが好きになり、仏像を見るようになり、書道もいいな、というふうになりました。そういう楽しみは年齢とともになぜか増えて来ました。

――『ぶつぞう入門』(文春文庫)を拝読すると、柴門さんは仏像にエロスを見ておられるので、そういう見方があったかと驚きました。クラシックはいったい何がきっかけですか。

 徐々に好きになっていってたんですが、今年(2005年)から小学館の『クラシックイン』でエッセイを書くようになって勉強を始めたんです。バッハやモーツァルトはやっぱり聴くといいですね。すごく感情を高めてくれます。

――落ち着かせるのではなく?

 いえいえ。クラシックは落ち着く曲もあるんですが、ものすごくドラマチックで飽きさせません。構成がよくできているんですね。非常に複雑な音の複雑な構成なので飽きずに自分の心を上げたり下げたりしてくれるので、活力をもらえますね。
 すべての生活面で起きる感情の疑似体験はクラシックでできます。これは面白いと思いますよ。喜怒哀楽が全部表現されているんですから。クラシックを聴くとそういうことが分かります。

――そういうのはいつごろ発見したのですか。

 今年(2005年)ですね(笑)。薄々は感じていたんですが、この仕事をするようになってはっきり分かりました。若いころはクラシックは退屈なものだとばかり思っていましたが、今は逆にポップスのほうが退屈ですね。ポップスは単純だから。

――最新作「小早川伸木の恋」では、クラシックが効果的に出てきて登場人物の心理描写に一役買っています。ラフマニノフの「ヴォカリーズ」やブラームスの「ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲」が出てくる場面は、胸に迫るものがあります。ところで、柴門さんのペンネームの由来であるサイモンとガーファンクルはどうですか。

 もう一生分聴きました(笑)。

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