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カルニチンが有効――ハセ博士のヘルシー情報最前線(63)

 ご存知のように、体内の重要なスタミナ源は脂肪酸です。この脂肪酸がエネルギー源として使われるには、まずは細胞内のミトコンドリアと呼ばれる組織に取り込まれなければなりませんが、その際にカルニチンの助けが必須です。

 すなわち、脂肪を筋肉に運んで燃焼する役割を担っているのがカルニチンで、このためにカルニチンがダイエットやアスリートのスタミナ持続として注目を集め、人気のサプリメントとなっているわけです。

 今回は、アセチルーL-カルニチン(acetyl-L-carnitine, ALC)が、糖尿病の3大合併症のひとつである糖尿性神経障害の改善に有効であるという報告がありましたのでお知らせします。

 これは、米国ミシガン・ウェーン州立大学の神経医学部のSima AA氏らが、医学誌「糖尿病ケア」(Diabetes Care. 2005,28(1):89-94.)に報告したものです(論文タイトル:Acetyl-L-carnitine improves pain, nerve regeneration, and vibratory perception in patients with chronic diabetic neuropathy: an analysis of two randomized placebo-controlled trials.)。

 研究では、52週間にわたって、1日500~1000ミリグラムのALCを慢性の糖尿性神障害の患者さんに飲んでもらい、その効果を調べました。

 なお、研究参加者は1257人で、分析結果を明確にするためにランダム・プラセボ試験法を採用したそうです。また、効果判定は、ふくらはぎにある腓腹神経の神経形態計測や神経伝達速度、振動知覚試験、臨床症状スコア、視認識テストなどを行ない、判定しました。

 その結果、腓腹神経の神経形態計測値と神経線維の再生を示すデータが明らかに改善していたそうです。

 神経電動度は改善しませんでしたが、疼痛のような、患者さんにとって最もつらい症状が非常によくなっており、特に1000ミリグラムのALCを取った群では顕著だったそうです。

 以上の結果から、ALC摂取は、糖尿病性神経障害の症状の緩和に有効であり、特に疼痛に効果が高いとされています。

 カルニチンは、脂肪燃焼サプリとしての使用以外に、糖尿病の合併症でお悩みの方にとっても福音となることが期待されます。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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