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ホメオパシー療法はプラセボ効果?――ハセ博士のヘルシー情報最前線(60)

 ホメオパシー(同種療法)は、英国やフランス、ドイツなどで行なわれている伝統医療の1つで、専門医は世界で10万人、治療を受けている人は5億いると言われるほど人気の高い療法です。

 疾患の原因となる物質と同種の、自然界に存在する植物や鉱物、動物由来の物質(レメディー)を希釈して投与し、自然治癒力を活性化するというのが、この治療法の基本的な考えです。

 このホメオパシーに用いられるレメディーは、ヒ素や硝酸銀、トリカブト、ミツバチ、イカ墨、牛肉の腐敗液などが経口薬として用いられています。

 ところが、このホメオパシー治療の有効性はプラセボ(偽薬)と同じ程度だとする研究報告がありました。

 これは、権威ある英国医学誌ランセット(Lancet, 27 Augest)に掲載されたもので、英ブリストル大学のPeter Juni博士らが報告したものです。

 研究では、呼吸器感染症や手術治療、麻酔治療などの分野でホメオパシー治療とプラセボ対照試験(110件)、従来の治療法を用いた臨床試験(110件)について比較検討しました。

 その結果、ホメオパシーの効果はプラセボ効果程度しかなく、この結果から「効果は、患者さんの医師に対する信頼感や治癒するという信念などによってもたらされるものである」と、研究者らは結論づけています。

 その一方でこの結論に反論する専門家も多く、「今回の報告は科学的なものではなく、ホメオパシー治療の有効性を理解していないものだ」とする異議が唱えられているそうです。

 ホメオパシーを含め、多くの伝統医療に科学的な証拠に基づく医療(EBM)の考えを取り入れ、その有効性を明らかにしていただきたいと願うとともに、現代医療の足りない点を補う補完医療としての伝統医学の再興に期待します。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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