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結腸直腸がんの予防法――ハセ博士のヘルシー情報最前線(49)

 肉をはじめとする西洋食の広まりで、国内でも大腸がんや結腸がんが増えてきています。繊維分の多い野菜食がこのようながんの予防に役立つとされていますが、今回はカルシウム・サプリメントが大腸がんや結腸がんの予防に有効であるという話題です。

 これはミネソタ大学のAndrew Flood氏らが「Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention誌」に報告したもので、カルシウムを豊富に摂取することで結腸がんを予防できる可能性が示されています(Vol. 14, 126-132; 論文タイトル:Calcium from Diet and Supplements is Associated With Reduced Risk of Colorectal Cancer in a Prospective Cohort of Women)。

 研究は4万5000人以上の米国女性(平均年齢62歳)について、約8年半にわたって追跡調査したものです。

 62項目の質問に答えてもらい、同時にカルシウム・サプリメントの摂取について調べました。その際、カルシウムを食事だけで取っているか、カルシウム・サプリメントも併用しているかも聞きました。

 その結果、カルシウムを豊富に含む食事をしている女性は、カルシウムをあまり含んでいない食事しかしていない女性に比べ、結腸直腸がんになる危険率が26パーセントも低いことが分かりました。

 またこのようながん発生の危険率の低い女性群は、食事とサプリメントの両方からカルシウムを摂取している人で、カルシウムをほとんんど取っていない人に比べて46パーセントもがんにかかる頻度が低いことが分かりました。

 その一方で、食事だけでしか摂取していない女性では、がんになるリスクは18パーセントしか低下していなかったそうです。

 これらの結果から、結腸直腸がんを予防するにはカルシウムを豊富に含む食事をし、同時にカルシウム・サプリメントも組み合わせるのが効果が高いとしています。

 日本の土壌にはカルシウム分が少なく、国内で出来た野菜や穀物には海外で取れるものに比べてカルシウム含有が少ないことが知られています。

 従って、この論文は米国での結果ですが、日本で住む人にとってはさらに重要な情報ではないかと思い、取り上げてみました。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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