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太陽光を浴びて、皮膚がんを抑える――ハセ博士のヘルシー情報最前線(47)

 太陽の紫外線を浴びると、皮膚にしみができたり皮膚がんになりやすくなったりすることはよく知られています。

 このため、太陽光を避けるのが一般常識となりつつあるのですが、今回は逆に太陽を浴びるとがんの増殖が抑制されることが、最近の2つの論文で報告されているというお話をご紹介いたします。

1)太陽光は悪性リンパ腫の非ホジキンリンパ腫を抑えるというもので、カロリンスカ研究所及びウプサラ大学の研究者らが共同して行なったものです(論文タイトル:Ultraviolet Radiation Exposure and Risk of Malignant Lymphomas; Journal of the National Cancer Institute, 97, No.3. 199-209,2005)。

 研究は3000例以上のリンパ腫の患者さんと3000人の健康な人にインタビュー調査したもので、太陽やランプからの紫外線を浴びた場合には、がんの発育が30~40パーセントも抑制されていたということです。

2)もうひとつは、悪性の皮膚がんであるメラノーマによる死亡率が、太陽光により低下するというものです(論文タイトル:Sun Exposure and Mortality From Melanoma; Journal of the National Cancer Institute, 97, No.3. 195-199 Feb.2, 2005)。

 これは米国ニューメキシコ大の研究者らが行なったもので、太陽光を浴びることでメラノーマによる死亡率が高まるか調べたところ、結果は逆で、太陽光を浴びたメラノーマの患者さんは死亡頻度が低下していることが明らかになりました。

 研究者らは、太陽光によりビタミンDが作られるためにがんが抑制されたのではないかとしていますが、がんの専門家によるとこのようなすでにメラノーマとなっている患者さんが大量の太陽光を浴びると、がんの増殖を抑える可能性があるとしています。

 しかし、太陽光はがんを発生させる危険性のほうが高いので、現状ではやはり太陽光を浴びない方がよいのでは、と心配もしているようですが……。

 実は私も手にあったほくろが紫外線ランプの下で実験を繰り返ししているうちに消失したという経験があります。

 がんを消失させるために必要な紫外線の波長やその量など、今後さらに詳しい研究が期待されます。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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