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「幸せ」を感じる人は――ハセ博士のヘルシー情報最前線(46)

 不幸を抱えている人よりも、幸せだと感じている人のほうがより健康だというのは、まず間違いないことだと思います。しかし、本当にそうなのでしょうか? そしてその理由は何故なのでしょうか? この基本的な疑問に対する答えが、最近の研究で明らかになりました。

 ロンドン大公衆衛生学マイケル・マーモット教授らが、米国科学アカデミー紀要誌(Proceeding of National Academy of Science, 2005, April 19)に報告したもので、いくつかの生物学的な機能が幸福感を持つことによって活性化され、身体の機能が劇的に向上するということです。

 研究では、ロンドン在住の45~49歳の白人男女200人以上を対象に日常生活における感情と健康状態を調査しました。

 まず心理状態と生理作用の関係をみるため、ストレス試験を実施し、勤務中の血圧と心拍数を測定しました。糖尿病や高血圧などと関連するストレス関連ホルモンである唾液中のコルチゾールも同時に測定したそうです。

 その結果、不幸と感じている人はコルチゾール値が高く、幸せだとする人より32パーセントもの差があり、冠状動脈疾患に関係するフィブリノゲンの値も高いことが分かりました。一方、幸福感を持つ人は血管系が良好であることを示す心拍数も低いことが確認されたそうです。

 この結果から、健康に関する生物学的なさまざまな要因は、幸福感を抱くことと強く関係していると研究者らは結論づけています。

 「人は健康だから幸せだ」というだけではなく、「幸せと感じることが健康に重要」であることを示しているように思いませんか?

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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