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健康に効く話(21):整形外科と施術所の違いは?

 腰痛や肩こりが起こった時、あなたはどこにかかりますか? 接骨や整体、鍼灸、あんま、マッサージといった施術所(代替医療施設)でしょうか。もちろん、こうした代替医療施設も魅力的ですが、施術を受ける前に、まずきちんと病院の整形外科を受診すべきだ、という心構えを持っていたほうがよさそうです。その理由は――。

 実は代替医療施設では、対症療法(病気を治すのではなく、痛みなどの症状を和らげること)を主として行ない、病気の診断をつけられないことが法律上定められています。つまり、診断ができるのは整形外科だけなのです。

 診断とは具体的に問診やレントゲン、MRIなどを使って病気の原因を探ることです。「症状がなくなれば、原因なんて二の次」と思われるかもしれません。しかし、痛みの背景には変形性脊椎症や椎間板ヘルニア、がんの骨転移など、重篤な病気が隠れていることもあり、たかが腰痛、肩こりと侮れないのです。

 さる9月16日、「運動器の10年・骨と関節の日」記念事業にちなんで行なわれた社団法人日本整形外科学会の記者説明会「スポーツの習慣が運動機能を高め運動器の老化を防ぐ!」では、「がんの骨転移」に気づかないまま施術を受けて手遅れになった例や、野球肘で痛みが出ていたのに医療機関に行かず対症療法を続けながら野球を続けていたため肘が曲がらなくなり手術とリハビリが必要になった14歳の男子の例が紹介されました。野球肘の診断がついていたら、練習量を減らしたり投球フォームを改善したりということにより、手術を避けられたのではないかという話でした。

 もちろん、同学会は施術所を否定しているわけではありません。「まずは整形外科できちんと診断や治療を受けた上で、補助的な手段として利用すること(ただし、病状によっては施術を見合わせたほうがいい場合もあるので主治医に相談すること)」という見解です。また、施術所に通院する場合は定期的に整形外科で画像による検査を受け、病気の状態や進行具合を確認したほうがいいということでした。

 ちなみに、整形外科というと手術のイメージが強いのですが、それは誤解で、保存療法やリハビリなどのメニューもたくさんあります。特に近年は厚生労働省が「介護予防の推進」に取り組んでいることもあり、整形外科は「運動療法」を中心に、中年や高齢者の障害予防にも力を入れています。

 地域の整形外科に行くと、腰痛や膝痛をよくする体操を教えてくれるところも多いですよ! また、これは私見ですが、整形外科の先生にはご自身がスポーツ好きであり、アクティブで明るい方が多いように思います。ぜひ、気軽に受診してみましょう。

狩生聖子
狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

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