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健康に効く話(19):つらい月経前緊張症候群への対処の仕方

 前回、生理痛に漢方薬が効くというお話をしましたが、今回は「生理前の不調」の話題です。

 実は、「生理痛はそれほどひどくないけれど、生理前になるとイライラや落ち込みなどがひどい。逆に生理が来ると嘘のようによくなる」という人がけっこういます。これは病名でいうと「月経前緊張症候群(PMS=Premenstrual Syndrome)」と言われるものです。

 症状は大別して精神症状と身体的症状に分類されますが、精神症状ではイライラや落ち込みのほか、無気力や涙もろくなる、不安、集中力の欠如、身体症状としては腹痛や乳房の張り、痛み、頭痛、肩こり、めまい、肌荒れ、むくみ、疲れやすい、眠くなる、など人によって症状は実に多彩です。

 PMSの原因にはさまざまな説があり、生理にかかわるホルモンの影響や神経伝達物質などのかかわりが指摘されていますが、はっきりしたことは分かっていません。PMSの女性にとって何より不快なのは毎月のようにこの症状に襲われることでしょう。

 実は私も時々PMSの症状に襲われることがあり、これが原稿の締め切りと重なっていたりすると、イライラするわ、体はだるいわで困ってしまうことがあります。実際、仕事に支障が出ると深刻に悩んでいる女性もけっこう多く、「大切なアポは生理前には入れられない」という営業ウーマンの声も聞きました。

 生理前は彼氏についあたってしまい、「人格が変わった」と言われてショックを受けた女性や、この時期にはにきびが悪化し、「とても人前には出られない」という人もいます。

 私が最初にこのPMSの取材をしたのは今から13年ほど前です。当時はまだこの病名が世間にはほとんど知られていませんでした。取材先の医師は、「女性ホルモンの影響だから、多かれ少なかれどの女性にも起こる。昔の人も同じ症状で悩んでいたと思われますが、おそらく我慢していたのでしょう。女性の社会進出により、患者さんがつらさを訴えるようになり、徐々に注目されてきた」といった内容のお話をしていました。

 ちなみに米国ではかなり以前からPMSは治療の対象となっていました。日本では当初、PMSは「病気ではない」と適切な治療を受けられないことがほとんどでしたが、最近はホルモン治療や漢方治療などが婦人科を中心としたさまざまな科で行なわれ、アロマテラピーやサプリメントなど、代替医療による施術も進められ、それぞれ効果を上げています。

 だからこそ、症状がある方はあきらめずに、ぜひ治療を!と言いたいのです。

参考文献:『植物油でからだリセット』(リヨン社)、『週刊朝日増刊号 漢方2005』(朝日新聞社)、『漢方で元気にきれいになれる本』(主婦の友社)

狩生聖子
狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

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