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ビタミンCを多く摂っても……――ハセ博士のヘルシー情報最前線(39)

 ビタミンC(アスコルビン酸)は運動後の疲労回復に役立つので、スポーツや山登りなどの際にはレモンをかじるといいと言われてきました。

 ところが今回お届けするのは、残念ながら今まで考えられていたほどには、運動成績の向上には役立たないという話です。

 これは、応用生理学誌(Journal of Applied Physiology, on line, 2005, Jan.)に、コロラド州ボーダーにあるコロラド大学統合生理学部のChristopher Bell氏らが報告したものです(論文タイトル:Ascorbic acid does not affect the age-associated reduction in maximal cardiac output and oxygen consumption in healthy adults)。

 過去の研究で血流循環をよくする薬物が運動能力を上げることが分かっており、同様の効果をもつビタミンCが運動で生じた酸化ストレスを減らし、心臓の働きをよくするために運動にも有効であろうと考えられていました。

 そこでこの研究者らも、アスコルビン酸が最大有酸素運動能力(maximal aerobic capacity , MAC)と最大心臓血液排出量(maximal cardiac output, MCO)を高めるので、長期間アスコルビン酸サプリメントを摂取すると運動能力が高まると想定し、その証明を試みたのだそうです。

 MACやMCOは年齢とともに低下することが分かっていますので、実験では23歳の青年と61歳の高齢者に1日500ミリグラムのビタミンCを取ってもらいました。

 次いで、歩行器での運動を行なった際に運動能力に向上が見られるかどうかを調べました。

 その結果、予想に反し毎日アスコルビン酸サプリメントを取っても、短期間あるいは長期間(30日間)におけるMACやMCOが改善していないことが分かりました。

 この結果から推定されるのは、ランニングなどの運動をした場合にはビタミンCは体内にたまった過酸化ストレス物質を減らしますが、運動成績自体を上げることは期待できないのでは、ということです。

 しかし、ビタミンCが身体にとって重要な成分であることは間違いありません。目先の運動成績などのためではなく、健康保持という点では大切ですので誤解されませんよう。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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