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健康に効く話(18):風邪にも効く漢方薬

 葛根湯(かっこんとう)という漢方薬の名前は多くの方がご存知だと思います。風邪のひき始めに飲む漢方薬で、自然発汗がなく、頭痛や発熱、悪寒、肩こりなどを伴う、比較的体力がある人に向いていると言われます。

 この漢方薬を服用すると、主成分の葛根(かっこん、マメ科クズの根)と麻黄(まおう、マオウ科マオウまたは同属植物の茎)、桂枝(けいし、クスノキ科ケイまたは同属植物の若枝)の相乗効果で強力に発汗が起こり、血行がよくなって、体がぽかぽかと温かくなってきます。

 漢方医学の風邪に対するとらえ方は独特です。西洋医学では熱や咳は風邪の一部と考えられ、熱を下げる薬や咳を止める薬、鼻水を止める薬などが処方されます。

 これに対して漢方では、熱は無理に下げず、上げたほうが風邪が早く治ると考えます。

 また、咳と鼻水については、悪いものを身体から取り除くためにもっと出るような処方をします。

 西洋医学でも、高熱で身体がとてもつらいといった場合を除いては解熱剤は使われなくなっていますが、それでも身体の治癒力を引き出す漢方の考え方を聞いた時はとても新鮮に感じたものでした。

 なお、風邪にはほかにもさまざまな漢方薬があります。例えば風邪の初期に使う代表的な処方では、鼻風邪に対して「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」、子どもの風邪には「麻黄湯(まおうとう)」、妊娠中の風邪には「香蘇散」(こうそさん)など、風邪が長引いた場合には小柴胡湯(しょうさいことう)や柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)などがあります。

 小青竜湯は花粉症やアレルギー鼻炎にも使われます。麻黄湯は子どもの夜尿症にも効果があることが分かっており、さまざまな患者さんに使われています。

 参考までに、漢方薬は量を調整すればゼロ歳の赤ちゃんから使えます。母子同服といって、乳幼児期に母親と子どもが同じ漢方薬を飲み、症状の改善を期待する飲み方もあります。例えば子どもに夜鳴きや疳(かん)の虫があり、これにより母親がストレスを強く感じているケースに精神神経症状を抑える「抑肝散」などが処方されます。

 育児ストレスは時に子どもの虐待につながります。お母さんがイライラを感じたときは、うまく漢方薬を利用するのもお勧めです。

参考文献:『ほんとうの時代』(PHP研究所)1999年6月号「特集免疫の高い人低い人」、『週刊朝日増刊号 漢方2005』(朝日新聞社)、『漢方で元気にきれいになれる本』(主婦の友社)

狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

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