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健康に効く話(17):女性に向く漢方療法

 「風邪ばかりひいて、よく微熱が出るし、とにかく体調が優れないの。大きな病院で詳しい検査を受けたけれど、特に異常は見当たらなくって……。どこかにいいお医者さんはいないかしら」

 こんな相談が来ると、私はまず漢方治療を勧めるようにしています。漢方は中国の伝統医学です。

 西洋医学は病気に合わせて薬を処方しますが、漢方は患者さんの体質に合わせた薬を処方するので、同じ病気や症状でも使う薬が違ってくる点が大きな特徴です。

 実は私が最初にかかわった医療の仕事が「漢方」でした。当時は20代の半ば、生理痛がひどく、仕事を休まなければならない日もありました。これを取材先の医師(漢方の専門家)に相談すると、脈を診たり舌の色を診たりといった漢方特有の問診が早速始まりました。そしてすべての診断が終わると、「体質はやや虚弱で漢方でいう虚証(きょしょう)タイプ。淤血(おけつ=血が滞るという意味)もあって血行が悪くなっています」ということで、体を温め、血の巡りをよくする当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)という漢方薬を処方されました。

 それまで鎮痛剤でしのいでいた私ですが、薬を飲むとなぜか吐き気を催すという悩みがありました。が、この漢方薬を飲んでからというもの、生理痛が落ち着き、痛み止めを服用する必要はなくなりました。また、顔色がよくなったり、肌荒れがよくなったり、風邪をひきにくくなったりといった副効用も現れたのです(漢方薬は体質を改善するので、このようなケースが起こります)。

 漢方薬はさまざまな病気に使われますが、特にホルモンの影響などから不調を生じやすい女性に向くと言われます。ちなみに生理痛のほか、働く女性に多い月経前緊張症(PMS)、肩こり、冷え性など、のぼせやほてりなどの更年期症状、子宮内膜症や子宮筋腫など、女性の病気に効果が期待できるものがたくさんあります。

 つまり、漢方治療は今や多くのクリニックや病院で受けることができ、そのほとんどが保険診療の適応です。軽い症状なら市販の漢方薬で対処できることもありますが、長く悩んでいる症状がある場合は医師に診断してもらった上で、あなたにぴったりの漢方薬を出してもらいましょう。

狩生聖子
狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

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