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本当に妊婦さんは葉酸を摂るべきなの?――ハセ博士のヘルシー情報最前線(37)

 妊婦さんが葉酸を摂ることにより、二分脊椎症などの先天性異常の子供を出産する危険を予防することがよく知られています。

 このため、妊婦さんが摂るべきサプリメントとして推奨されているのですが、妊婦さんがこの葉酸を摂り過ぎると乳がんになりやすいという報告がありましたので、今回はその話題を取り上げます。

 これは、英国アバディーン大学のAndy R. Ness博士らの研究グループが、英国医師会雑誌(British Medical Journal, Dec.11.)に報告したものです。

 研究グループは、1960年代に葉酸の効果を調べる研究に参加した約3000人の妊婦さんについて追跡調査したところ、2002年9月までに210人が亡くなっていることが分かりました。

 内訳を調べたところ、葉酸を大量に摂った女性は、摂らなかった人に比べて20パーセントも死亡率が高く、特に乳がんで亡くなった割合が2倍も高くなっていました。

 ちなみに、現在1日当たりに摂るべき量として推奨されている量(0.4ミリグラム)の10
倍以上を、出産時まで継続して服用していた人に多く、服用量が多いほど乳がんになる危険率が高かったそうです。

 しかし、ほかの研究では逆に、食品から葉酸を摂取する女性は乳がんになりにくいという報告もあり、また葉酸摂取が大腸がんを予防するという研究報告もありますので、今回の結果だけで葉酸摂取が危険だと断定すべきではないという意見が大半です。
 
 妊娠前後の葉酸摂取が生まれてくる子供の先天性異常を劇的に低下させることは間違いなく、1日当たり0.4ミリグラム程度の葉酸を妊娠12週まで継続することが推奨されています。

 従って、妊娠中に葉酸を摂ることが必要ですが、あまりに多く摂りすぎるべきではないということのようです。

 妊娠中の方は、今摂っている葉酸の量を確認なさってみてください。  

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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