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潰瘍性大腸炎を緩和するサプリメント――ハセ博士のヘルシー情報最前線(36)

 潰瘍性大腸炎は、粘膜が侵されて、びらんや潰瘍を形成する炎症で、粘血便や下痢などの症状が起こります。特に30歳以下の成人に多く発症するのですが、残念ながら未だに原因は不明で、細菌やウイルス、免疫異常から、自律神経障害などの精神的な面、あるいは食事とも関係があると言われています。

 そのための薬としては、プレドニゾンのような副腎皮質ステロイドホルモンが治療に使われます。しかし、ステロイドホルモンは強い副作用が出やすく、またホルモン治療を中断すると約4分の1の人にリバウンドと言われる症状の悪化がみられます。

 このように潰瘍性大腸炎は非常に厄介なものなのですが、魚油と繊維質、抗酸化物から成るサプリメントが潰瘍性大腸炎の症状緩和に有益であるというニュースです。

 これはクリーブランド医療基金のDouglas Seidner博士が、「消化器及び肝臓医学」誌(Clinical Gastroenterology and Hepatology, April 2005; vol 3: pp 358-369)に報告したものです。

 研究では、59人の患者さんに6ヵ月間にわたってカロリー摂取量を3分の1にしながら、8オンスの液体状のサプリメントを毎日2瓶ずつ飲んでもらい、プラセボ偽薬を取った62人の患者さんとその効果を比較しました。

 なお、この研究は米国医療センターで行なわれたもので、参加した患者さんは過去6ヵ月間、軽度~中程度の潰瘍性大腸炎の患者さんだったそうです。

 その結果、サプリメント群とプラセボ群ともに、便の頻度や直腸からの出血症状が緩和しましたが、サプリ群はプラセボ群に比べて明らかに、必要とするステロイドホルモン量を少なくすることが出来たということです。

 気になる副作用についてですが、サプリ群は体重が増える傾向にありましたが、それ以外の重大なものは見られず、現行の処方薬に比べて非常に安全なものだったそうです。

 研究者によると、このサプリメントは処方薬に取って代わるものではなく、標準的な治療法を補完するもので、早く症状が緩和させたり、あるいは処方薬の量を減らしたりするのに有効としています。

 ちなみにこのサプリの具体的な成分は、魚油からとったオメガ-3脂肪酸、短鎖の脂肪酸を持つ可溶性繊維質、抗酸化物質だそうです。このサプリはカロリーが高いので、カロリー制限をしないで取ると肥満になりうるということですが、今までのようなホルモン製剤だけに頼る潰瘍性大腸炎の治療の一助になることが期待されます。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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