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健康に効く話(15):死なないための睡眠

 残暑きびしい折、寝苦しい夜にうんざりしている人も多いはずです。きちんと睡眠がとれないと、疲労感が残ります。それもそのはず、睡眠は脳と体を休めるという大きな役割を担っているからです。

 ラットを使った動物実験では、眠らない状態が続くと死に至るという報告があります。人間での疫学調査(JACC STUDY)でも、睡眠が平均4時間以下だった人たちで死亡率が有意に高かったという報告があります。

 睡眠時間が短いと十分に休養が取れないだけでなく、高血圧や糖尿病といった慢性疾患のリスクが上昇することが知られており、その結果として死亡率が高くなると考えられています。

 一方、前出のJACC STUDYでは睡眠時間が長すぎても死亡率が上がるというデータが出ています。日本の大規模な疫学調査では10時間以上で死亡率が高くなり、一番死亡率が低いのは睡眠時間が7時間の人という結果でした。

 本人が気づいていない病気が潜んでいて、そのために睡眠時間が長くなり、死亡しやすくなると考えられていますが、詳しいことは分かっていません。

 いずれにしても、適切な睡眠が健康のためには欠かせないということなのでしょう。しかし、現代人は不眠に悩む人が激増しており、その数は5人に1人とも言われます。特に働き盛りの世代では、多忙のために眠る時間がそもそもなかったり、眠りたくてもなかなか眠れないといった症状に悩んでいる人が多いようです(これはとてもつらい症状です)。

 専門家によれば、「上手に眠るためには睡眠のリズムを整えることが大事」であり、寝る時間と起きる時間を一定に保つことがポイントの1つなのだとか。つまり、夜が遅くても、午前0時に床につき、朝は7時というように、その人の睡眠パターンを作ることが大切ということです。休日もだらだら寝ていないで、できるだけいつもと同じ時間に起き、睡眠不足の場合は昼寝で補います。昼寝は夜の睡眠に影響を及ぼさないよう、午後3時までの時間に20~30分程度にとどめておくことがポイントといわれています。

 なお、昼寝には、脳の活動性を上昇させるという効用もあります。つまり、仕事中に眠くて頭がすっきりしない時は、ちょっと昼寝をすることで仕事の能率が上がるというわけです。

 オフィスで昼寝をするなら、昼休みということになるでしょうが、「会社で寝るのはちょっと……」という人は、公園や喫茶店、デパートの椅子などを利用するのもいいかもしれません。

参考文献:『ぐっすり眠る!37の方法』(宝島社)、JACC STUDY ―睡眠時間と死亡との関係―(http://ganekigaku.com/jacc0405/reports/tamakoshi_suimin/index.html

狩生聖子
狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

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