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ハセ博士のヘルシー情報最前線(31):市販の妊娠検査薬の問題点

 月経がなくなるとまず薬局に行き、妊娠検査薬を買ってきて自分で調べる人がほとんどだと思います。我が家の子供たちができた時も、病院の検査を受ける前に最初に市販の検査薬で知ったものでした。

 妊娠検査薬の説明書には「月経がなくなった後でも、すぐに妊娠しているかどうか分かります」などと書かれているので、安心している方が多いかもしれません。

 しかし実際は、市販の検査薬では月経がなくなった最初の2~3日以内は検出できないことが分かったということです。

 この研究は、アメリカ産婦人科医学会誌(American Journal of Obstetrics and Gynecology)に、ニューメキシコ大学のLawrence Cole博士らが報告したものです。

 家庭用妊娠検査薬は、尿中のヒト絨毛膜性腺刺激ホルモン(human chorionic gonadotropin = hCG)のレベルを測定するものです。

 妊娠すると、受精卵から生じる胎盤の絨毛組織から、hCGが分泌されます。このホルモンはすぐに尿中に排泄されますので、尿中hCGを検出することは妊娠したことの有力な情報となるわけです。

 今回この研究者らは25人の妊婦について、月経が見られなくなった最初の日のhCG量を測定し、同時に家庭用検査薬が正確にそのhCG量を検出できるか調べました。その結果、市販されている18種の妊娠検査薬キットのうち、最初の日にも検出できたのは「the First Response test」と言われるものだけで、95パーセントの確率で検出できたということです。

 また、「Clearblue Easy」と言われる検査薬では80パーセントの確率で検出できたそうですが、それ以外の16種の検出率は16パーセント以下だったそうです。

 2日目になっても18種のうち3種の検査薬しか検出できず、3日目にようやく8種の検査薬が検出できるようになったと報告しています。

 この研究者によると、ほとんどの検査薬が最初の日に検出できなかったのは、最初はhCGが修飾した構造をとっているためで、hCGの構造が変化して行くにつれて検出率が向上していくと説明されています。

 ちなみに、ほとんどの検査薬メーカーは「検出率は99パーセント」と主張していますが、どうもそれをそのまま信用できないようです。

そしてこの研究者は、より信頼できる結果を得るには、月経がなくなってから少なくとも1週間後まで待つべきだと述べています。

 国内には現在10種類近くの製品が発売されていますが、それらの性能を比較した今回のような研究が行なわれ、そのデータを発表して欲しいと思います。

 妊娠したかどうかはすぐに知りたいことです。その結果に一喜一憂した覚えがありますので、検査薬の性能の向上が望まれますね。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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