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ハセ博士のヘルシー情報最前線(28):セントジョーンズワートの新たな問題点

 セントジョーンズワート(和名:セイョウオトキリソウ)は、古くからヨーロッパ諸国でうつ病の治療に使われている生薬です。 しかし、このセントジョーンズワートを他の医薬品を同時に摂る場合には、いろいろと問題が生じることが知られていました。特に、経口避妊薬やある種の免疫抑制剤、抗不整脈葉、気管支拡張薬、血液凝固防止薬などの効果を減少させたり、また一部の抗ガン剤との相互作用も知られています。

 今回新たに「セントジョーンズワートが、心疾患の治療によく使われるジゴキシンの効果を打ち消す」という報告がありましたので、お知らせします。

 これはドイツ・ロストク大学のSilke C. Mueller 博士らが、臨床薬物学誌(the journal Clinical Pharmacology and TherapeuticS, June 2004)に報告したものです。

 研究では、93人の健常人について21日間ジゴキシンを摂ってもらい、ジゴキシンの効果に対するセントジョーンズワートの影響を調べました。

 まずジゴキシンだけを7日間摂取し、次の2週間はコントロールとしてのプラセボ偽薬、あるいは薬局などで売られているセントジョーンズワート・サプリメントを飲んでもらいました。

 その結果、10種のセントジョーンズワート・サプリメントの内で、ヒペリシン(hypericin)やヒペリフォリン(hyperforin)などの成分が多く含まれているものは、ジゴキシンの血中レベルを減少させることが分かりました。 ヒペリシンやヒペリフォリンは、ジゴキシンを分解する体内の酵素を活性化するのではないかと考えられています。

 セントジョーンズワート・サプリメントは、通信販売などで簡単に手に入ため、人気のサプリメントとなっていますが、セントジョーンズワートの服用を希望される方で、すでに何らかの医薬品を飲んでおられる場合は、必ず医師か薬剤師に相談するようになさってください。

ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している

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