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女性外来を利用してみた

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健康に効く話(6):女性外来を利用してみた

 女性と男性とではなりやすい病気が違います。同じ疾患でも症状や起こり方には性差があり、例えば心臓病の代表である「狭心症」は女性の場合、喉の詰まりや背中の痛みなど、心臓病らしからぬ症状を呈することがあると専門家が指摘しています。

 こうした性差を考慮した医療を「性差医療」といい、中でも女性の体と病気にスポットをあてた「女性外来」が近年話題になっています。

 先日、この女性外来を患者として初めて利用する機会がありました。受診の理由は「乳がん検診」。総合病院に併設される人間ドッグで受けたマンモグラフィー(乳房X線検査)で異常を指摘されたことがきっかけです。
こうした場合、ドッグを持つ総合病院へ紹介してもらうのが一般的ですが、私はあえて他院の女性外来を選びました。

 私は30代半ばで第1子を出産しています。この年齢での出産は乳がんのリスクの1つと言われています。検査の際には、こうしたことを含め、今後の健康管理についてざっくばらんに相談したかったのです。このような場合に女性外来が最適という気がしました。

 早速、受診を希望する女性外来クリニック(所在地は東京・銀座)に電話をすると、コンシェルジェという初診受付担当の女性が応対してくれ、予約や準備についての説明がてきぱきとなされました。今回はX線の画像を借りることができたので、超音波(エコー)を使って、疑わしい部位をさらに詳しく探っていく検査です。

 受診当日、クリニックに行くと、待合室には観葉植物が飾られ、アジアンな雰囲気です。アロマテラピーの香りも漂ってきて、いわゆる病院のイメージとはかけ離れていました。私は診察を待つ間、柔らかいソファーに身を沈め、思わずうたた寝してしまったほどです。

 診察室に入ると、同年代と思われる女性の先生が、にこやかに迎えてくれました。それだけで気持ちは楽になりましたが、その後の先生の対応は期待以上のものでした。

 「超音波検査」とは、体の表面から超音波をあててその反射で体のなかの様子を観察する検査です。が、うねうねっとした白黒の画像を素人が見ても、どこの部位かさえよく分からないのが現実です。

 私も先生にお任せすることを決め、ベッド上で目をつむっていました。しかし、先生は私にモニターを見るように促し、懇切丁寧に画像の見方を教えてくれました。先生の分かりやすい解説により、私は、自分の胸の中を生まれて初めてとらえることができたのです。

 そこにはおっぱいを作る腺房という丸い組織がたくさん見えました。授乳が完全には終わっていない私の乳房では、この腺房に多少なりともおっぱいが入っているため、これが画像に写ったことが「異常」を指摘された原因だったようです。

 何はともあれ、ほっと一安心。しかし、「乳がんの発症年齢は30代から増えて、45歳がピーク。今回はOKですが、年に1回は乳がん検診を受けてくださいね」と先生に念を押されました。

 触診の方法を教えてもらい、さらに先生は実物大の乳房の模型を取り出すと、触るように私に勧めました。そっと触れると、何かしこりのようなものが……。「それががんの感触なんですよ。覚えておいてください」

 実際に触ったしこりは、私が想像していた乳がんのイメージとはどこか違う感触です。これは大いに勉強になりました。検診は自費で1万8000円かかりましたが、納得のいく検診が受けられた上、さまざまな知識が得られ、費用以上の価値があったように思いました。

狩生聖子

狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

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