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健康に効く話(2):下剤で便秘がひどくなる?

 「もう3日も便が出ないのよ」「それならまだいいほうよ。私なんて5日間も出なかったことがあるんだから~」

 男性はびっくりするかもしれませんが、こんな会話は女性たちの間では普通のことです。

 下痢は腹痛も起こりやすく、トイレとの往復が大変ですが、便秘は何とか我慢できます。さらに、「もう限界」という時には下剤を使えば、たまっていた便が一気に出てお悩み解消!!

 しかし、この下剤が最近、専門家の間で問題となっています。下剤は便秘の解消にはとても便利な半面、便秘を根本から治すものではなく、あくまでも「一時的に便を出すだけ」のものです。つまり、便を無理やり外に排出しているに過ぎません。

 ですから、下剤を常用していると、腸の機能が衰え、自分の力で排便できなくなってしまいます。また、市販の下剤の多くは大腸を刺激するタイプですが、この下剤に含まれるある種の成分は腸の壁に沈着して、壁を黒く汚します。これは医学用語で「大腸メラノーシス」と呼ばれるものです。大腸メラノーシスは腸を汚すだけでなく、腸管の神経にも影響し、腸の働きを弱めてしまいます。その結果、ただでさえ弱くなっている大腸の働きをますます弱めてしまうと言われます。

 ここで、便秘治療の専門家である松生クリニック(東京都・立川市)の松生恒夫先生のコメントをご紹介しておきます。

 「便秘の人はすぐに下剤に頼るのではなく、食物繊維の多い食事を摂るなど生活習慣の改善をまず行なってください。例えば朝食にバナナや豆乳を摂るだけで便通がぐんとよくなります。また、下剤を連用しないと便が出ないという人は、できるだけ副作用の少ないものを。最近では肛門に入れて炭酸ガスを発生させ、腸の動きをよくする座薬もあります」

 なお、便秘の背景には大腸がんなど重篤な病気が潜んでいることもあります。5年、10年と便秘に悩んでいる人は、まず、消化器内科などで「大腸内視鏡検査」を受け、何もないことを確認してから便秘の治療を始めましょう。

狩生聖子=医療ジャーナリスト。著書に『ぐっすり眠る! 37の方法』(宝島社新書)などがある

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