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インタビュー:岡保文子さん(東京フィルハーモニー交響楽団ビオラ奏者)

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 定期演奏会や収録などで演奏をする機会は1ヵ月に最低でも15回はある。20回の演奏をこなす月もある。

 ビオラを弾くには首を傾けて固定しなければならない。肉体的な負担は小さくない。首の骨がズレてしまい、手先がしびれる演奏家もいるほどだ。

 優雅な音を奏でる演奏家なのだが、“肉体労働”の側面があると言っていいだろう。事実、40代後半になると、腰や肩を痛める演奏家が増えてくる。そうならないよう筋肉を太くして、骨を守るなどの防衛策を講じる必要がある。

 41歳の岡保さんにとってひとごとではない。自宅近くのスポーツジムに通い始めて8年ほどになる。自転車こぎや筋肉トレーニングなどの有酸素運動で1時間ほど汗を流す。

 「効果はあります。腰や肩が痛くならなくなりました。体重は6キロ落ちました」。最近は週に2回通えればいいほうだが、今の筋肉を維持する程度には通いたいと思っている。

 現代音楽を演奏する前夜は睡眠に気を遣う。クラシック音楽の場合は3拍子や4拍子などのよく知られたリズムだが、現代音楽の場合は2.5拍子など斬新なリズムが使われたり、3拍子→2拍子→2.5拍子とコロコロ変わる曲があったりする。

 「現代音楽には数学的素養が必要です。体になじみのない信号が含まれているので、頭がクリアでないと演奏が難しいのです」。このためには睡眠が一番というわけである。

 座りっぱなしなので、腰の後ろに補助用マットを置いたり、低反発マットをいすに置いたりして、腰の負担を軽くする工夫を凝らしてもいる。

 ところで、ビオラとはどんな楽器なのだろう。音域が高く、旋律楽器であるバイオリンに比べると、ビオラは“主役”の音ではない。しかし、「表には出てきませんが、音楽全体に影響を与えるのがビオラです。一歩引いたところで支えるのです。いとおしい楽器です」と岡保さんは説明する。

 楽器に応じて演奏家の個性がそれぞれあると言われている。ビオラ奏者はどんな個性があるのだろう。岡保さんは少し考えて、こう教えてくれた。「しんが強いけれど、穏やかでニコニコしている集団です。ウラオモテなく本音で話せる人たちですね」

 岡保さんのビオラ演奏を聴いてみたいかたは、東京フィルハーモニー交響楽団の公演に行ってみよう。(AANウェブ編集部・西野浩史)

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