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本:イルカのフジと人間のドラマ――『もういちど宙へ』(岩貞るみこ・講談社)

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 沖縄本島北部に美ら海(ちゅらうみ=きれいな海という意)水族館がある。観光地の1つとして人気を集めているこの水族館のイルカ「フジ」の尾びれが壊死し始めた。

もういちど宙へ 壊死した尾びれを切除したあと、フジはそれまでのような自由自在の泳ぎができなくなった。プール内でフワフワ浮くだけのイルカは生ける屍(しかばね)と言ってもいいだろう。

 フジにドルフィンキックを取り戻させてやりたい。この思いを抱いた水族館の獣医が、人工尾びれを作れないかとブリジストンに相談を持ちかける。

 「あの子を助けたいんです」

 獣医のこのひとことが、ブリジストンの技術陣の心を揺さぶり、さまざまな人が動き出す。

 本書は丁寧な取材でこのような経過をひとつひとつ描いてゆく。フジを助けようと尽力する人間のドラマが見えてくる。「人間の生き方」や「仕事とは」といった根本的な問題を考えさせられる。

 この黄金週間に沖縄旅行の予定がある人にもそうでない人にも、そして心が疲れ気味の人にもお薦めできる本である。1500円。(AANウェブ編集部・西野浩史)

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