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ハセ博士のヘルシー情報最前線(10):がん患者が毎年9万人減る方法

 たばこがこの世になかったら、日本国内で毎年約48万人発生しているがん患者のうち約9万人はがんにならずに済むはずだ――。これは、厚生労働省の研究班(班長・津金昌一郎国立がんセンター部長)が、喫煙とがんについての調査報告を発表したものです。

 研究班は、1990年から約10年間、岩手や秋田、長野、沖縄など計8県に住む40~69歳の男女約9万人を対象に追跡調査しました。

 その結果、調査期間中にがんにかかったのは約5000人で、男性で最も多かったのは胃がん(がん患者のうち26.3パーセント)で、肺、結腸、肝臓が続いているそうです。

 また、女性では乳がん(同17.7パーセント)、胃、結腸、肺の順に多かったとのことです。

 次に喫煙者のがんの発生率を調べたところ、これまでに喫煙したことのない人に比べて、男性では1.6倍、女性では1.5倍多くの人ががんにかかっていたそうです。

 また、禁煙している人のがん発生率も、男性は非喫煙者に比べ1.4倍でした。これは過去の喫煙の影響だそうです。

 がんの発生率は、1日あたりの喫煙本数が多くなるほど高くなり、また本数が少なくても長期間吸っていれば高い傾向がありました。

 こうした発生率の差をもとに、日本全体でのがん発生率を計算したところ、男性ではがん患者全体の29パーセントにあたる約8万人、女性ではがん患者全体の4パーセントにあたる約8000人がたばこが原因でがんにかかったと推定されています。

 たばこが肺がんを起こすことはよく知られていますが、胃や結腸、肝臓などさまざまな臓器でも、がんのリスクを高めることがこの調査で確認されました。

 禁煙しても、たばこの影響が完全になくなるのは10~20年後ですので、早めに禁煙することが重要と警告しています。禁煙がまだの人、お急ぎください。(ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している)

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