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ハセ博士のヘルシー情報最前線(11):5月病などでウツになった人は

 季節性気分障害(seasonal affective disorder, SAD)は、季節の変わり目などに発生する精神的な障害で、過眠がちになって社会への適応ができなくなります。新入社員や新入生が陥る5月病も一種の季節性気分障害で、メラトニンの分泌異常がその原因ではないかと考えられています。

 さて、このような季節性気分障害に関する20の研究論文を再調査したところ、光を浴びる療法がこれらの症状を緩和するのに有効なことが分かったということです。

 この研究はノースカロライナ大学Robert Golden博士らの研究チームによって行われたもので、光療法がSADや通常のうつ病の治療に対して、抗うつ薬と同等の有効性を示すことが、米国心身医学誌(American Journal of Psychiatry, 2005, April)に報告されています。

 この光療法は、患者さんが強力な光を照射する箱に毎日一定時間入って、光を浴びるというもので、今までも太陽光が弱くなるヨーロッパの冬などに使われているものだそうです。

 研究では、すでに報告されていた20の医学論文を再検討したところ、その手技の細かな点にはいろいろ異なっていますが、光療法を使っている治療法はいずれも有効であることが分かったということです。

 クリーブランド医療センター(The Cleveland Clinical Health Information Center)では、この発表を基にした詳しい情報を提供していますので、興味がある方は同センターのホームページSAD and light therapyをご覧ください。

 この方法は薬の副作用などの問題がありませんし、比較的簡単に実行できます。また、老人性痴呆にも有効という報告もありますので、今後普及するのではないかと期待されます。(ハセ博士=薬学博士。国立大学薬学部や米国の州立大学医学部などで研究・教官歴がある。現在、製薬企業で研究に従事している)

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