アンチエイジングニュース

 前回は、「GI値は、組み合わせて摂る食材によって変化し得るものだ」というお話をしました。

 読まれた方の中には、ちょっと意外だと思われた方や、けっこう驚かれた方がいらっしゃると思いますが、いかがでしょうか?

 今回は、「GI値は、調理法や食べる人の状況によって変化し得るものだ」という内容です。

 例として、地中海料理の主役のひとつである「パスタ」を挙げます。

 パスタはGI値が50~60(あるいは70)と比較的低い食材であるため、カロリー的にはかなり高い食材でありながら、「低インスリンダイエット」を行なっているダイエッターの方々には人気の炭水化物でしょう。

調理方法と食べる人の状況が影響する

 しかしながら、「そのGI値は、調理の仕方や食べる人の状況によって変化する」ということをご存知でしたか?

 ある実験データがあります。パスタとうどんを食べてもらって、その前後の血糖値とインスリンの値を測定したデータです。

 うどんはGI値が80~90 と、パスタに比べて高めです。しかし、カロリーはうどんの方が低いため、うどんの方を多くして、両者のカロリーを合わせて摂ってもらっています。パスタはスパゲティ・ミートソースを食べてもらうことで実験しています。

 実験に参加したのは20~40歳の健康な女性です。いずれも空腹時血糖と血中脂質ともに正常範囲内です。

 実験前の予想としては、うどんの方がGI値が高く、しかも、パスタより炭水化物量として多く摂ってもらっていますので、食後の血糖・インスリンとも当然かなり高くなるものと思われました。

 さて、結果はどうだったでしょうか?

 実はうどんの方が血糖・インスリン値とも若干高かったものの、統計的に有意と考えられるほどの差は出ませんでした。

 これは、一体、どういうことでしょうか?

 GI値は、同時に摂取する食品の種類に影響を受けるだけでなく、調理法や食べる人の身体状況によっても変わってくるのです。

 ここでいう身体状況とは、年齢や肥満度、食べ方(噛み方や食べる速さ)、消化速度などを意味します。

ダイエットの本を鵜呑みにするな

 今回提示した実験から導かれる結果ではありませんが、パスタの場合、固くゆでればGI値は低くなり、柔らかくゆでればGI値は高くなると言われています。

 このように、GI値というのはダイエット関係の本に出ている数字を鵜呑みにしてよいものではなく、種々の条件や要因によって変化し得るものだということ理解すべきなのです。

 ですから、ある人が低インスリンダイエットでやせることができたと言ったとしても、同じことをしてほかの人もやせられるとは限らないのです。

 低インスリンダイエットについては、現時点では、GI値の低い食品であればいくら食べてもやせられるなどということには残念ながらならないのです。

 でも、低インスリンダイエットで上手くダイエットに成功した方もいらっしゃるでしょう。実は、私もそのひとりです(ただし、地中海ダイエットでは太りました特にパスタにはやられました)。でも、これで安心などと思わない方がいいかもしれません。

 次回は、そんな方々が「エーッ! ウッソー!」と悲鳴の声を上げるような内容をお伝えできればと考えています。


皆川俊一=東京の西の方にある診療所の院長。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医


現在のドクター皆川(写真上)
ダイエット前のドクター皆川(写真下)

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