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「バレンタインデーには、カカオ入りチョコレートを。心疾患の死亡リスクを半減!」
――ハセ博士のヘルシー情報最前線(422)

もうすぐバレンタインデーですね。スーパーのお菓子売り場は、チョコレートで一杯です。
そこで今日はチョコレートに関する話題です。

カカオ入りチョコレートを食べると心疾患の予防に有用というものです。
チョコレートやココアを摂ると、血圧を低下させて血管機能を高めたり、糖尿病を抑制するインスリン感受性が向上することが知られています。

今回のお話も、長期間カカオを摂った場合、心疾患に関する様々な死亡の危険性が低下するというもので、頼もしい結果です。

これはオランダ国立公衆衛生環境研究所のBrian Buijsse氏らが明らかにしたもので、Archives of Internal Medicine誌(論文タイトル:Cocoa Intake, Blood Pressure, and Cardiovascular Mortality)に報告されたものです。

研究では、オランダ生れの1985年の時点で65~84歳の男性470人について、カカオを多く摂る人(平均4.18g/日)、中間量の人(平均0.92g/日)、そしてほとんど摂らない人に分け、15年間にわたって、血圧、心血管死、その他の原因による死亡の頻度を調べました。

まず血圧への影響を調べたところ、カカオ摂取量の最も多い群では、ほとんど摂らない群に比べて3.7mmHg低く、拡張期血圧も2.1mmHg低いことがわかりました。

次に死亡率との関係を調べたところ、カカオを多く摂取する人では、心血管の異常が原因の死亡数が半減していました(0.50,p=0.004)。

さらに心血管以外の死亡のリスクも半減しており(0.53,p<0.001)、カカオを摂取している人はその他の原因の死亡危険率も低下することがわかりました。

以上の結果から、少量のカカオ製品を長期間摂取することにより、血圧低下がもたらされ、また心血管死リスクが減少することが確認できたということです。

その理由として、血圧低下自体が重要な因子ですが、それ以外にも血小板機能の抑制や悪玉コレステロールとされる低密度リポ蛋白の酸化の阻害、サイトカイン生成、血清コレステロール値の改善などを通じて、カカオ含有製品が死亡率の低下をもたらしていると考えられ、またカカオが有する抗酸化作用が関与する可能性もあるそうです。

というわけですので、バレンタインデーには是非カカオ入りのチョコレートを。

ちなみに4.2g/日のカカオは、ダークチョコレート10gに相当するそうです。

ハセ博士=薬学博士。国立大薬学部や米国の州立大医学部などで研究や教官歴がある。

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